***このブログについて***

書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。

2012年3月31日土曜日

day 02 西寧へ移動

6時前に起床、6時半のバスに乗って8時15分の飛行機に乗る。宿から空港まで5分であった。使える。チェックインは結構並んでいた。香港はイースター休暇、中国は清明節休暇だ。空港で夫はしょぼいサンドイッチを25元で食べ、私は香港でまだ買っていなかった『那些年,我們一起追的女孩(あの頃、オレたちみんなが好きだったあの娘)』を買う。28元。大ヒットした台湾映画の原作だ。さらさらっと読む。コレはアレですな、本邦で言うラノベだ。繁体字ならうちの息子にでも読めそうだ。

8時15分の飛行機は45分遅れで9時に離陸、11時過ぎに西安に着陸した。乗客は一旦全員降ろされ、12時頃再搭乗。眼下が雪景色に変わり始めた。

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1時50分に西寧到着。思ったほど寒くない。

空港バスは21元/人。市内まで45分。五一路口で降り、タクって目当てのユースホステルを目指す。メーター6元で着いた。このビルの三階。

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外国人向けチベット(ノーパミ)情報とかねえかなあという色気があって年甲斐もない宿を選んだのであるが、中国人と香港人バックパッカーでいっぱいで、そういう雰囲気でもなかった。大繁盛でダブルベッドの部屋もツインの部屋もなく、二段ベッドの狭い部屋が110元。非常に狭いが部屋は問題なく清潔で、寝具も綺麗だった。ただ問題は共同トイレで、臭い。途中に水を貯めて臭気が登るのを防ぐ構造になっていないので、そこはかとなく漂う悪臭をどうしようもない。中国にはよくあることだ。しかしまあ、若い衆向けの宿としては悪くない場所だろうと思う。

そこかしこに落書きだらけ。

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しかしとりあえず泊まることにした。一泊だし。荷物を下ろして八一路口にある列車チケットの出張販売所まで、保険のためのゴルムド行きのチケットを買いに行く。ユースホステルから歩いていける郵便局二階にも出張販売所はあるのだが、そこは避けたほうが賢明だと思うの。私の香港身分証で買えた。105元。本日すべきことを成し終えたので、あとはぶらぶら市内観光。東関清真寺(モスク)へいく。目当ての古い中国式建築物のモスクは、タイル貼りの新しいモスクの影にれて見えなかった。門票が25元なのはまあいいが、女性はモスクに入れませんと明記されているので、迷ったが参観はやめておく。

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ぶらぶら歩く。ワンブロック先に2つミナレットを持つ白いモスクが見えた。そちらも新しいモスクだったが、入り口に中国式の塔が立っていた。

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さっきのタクシーの運転手お勧めの店へ手抓羊肉を食べに行く。一斤50元。抓というのは「掴む」という意味の中国語で、手抓肉とは茹でた骨付き肉をぶつ切りしたものに薬味をつけ、手掴みで食べる食べ方を言う。今日は羊の首の肉を食べた。柔らかくてウマイ。飼料を食べている羊ではなく、放牧で草を食べている羊だという。私はあまり肉を食べる気がなくて数切れしか手を出さなかったが、夫は食べ足りない模様。しかしもう一斤食べるほどの胃の余裕もないようだ。店を移り蘭州拉麺店で牛肉麺と酸奶(ヨーグルト)。麺は5元で酸奶は3元。酸奶がうまいのなんのって。

胃袋を満たした所で、さっき空港バスの中から見た古い清真寺へ。これが一番良かった。もう夕暮れで薄暗く、思うような写真が取れなかったのが残念残念。

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宿に戻って今日買った雲南の白毛茶を飲んでいると、多分ある程度高山病の症状が出ているだろうと思われ、(西寧の海抜は2300m)、しみじみ疲れが出てきたので顔を洗って歯を磨き、Diamoxを飲んでばたりと眠る。夜、何度も何度も小用に立つ。Diamoxは利尿作用があるため、これはまあ仕方のない副作用。

2012年3月30日金曜日

day 01 深圳寶安機場付近に前泊

9時頃まで仕事をして、一目散に退社。電話をすると夫は知り合いの薬局におり、私が別の薬局で買おうとして薬剤師にすげなく断られたDiamox(高山病の予防・対処薬・本来は医師の処方が必要)をあっさり買っていた。一錠3ドル。この値段はジェネリックかもな。二人で二週間分に30錠買って、今夜から飲み始める。初回は2錠、あとは一日一錠。

帰宅し、着替えて出発。落馬州からタクって寶安機場の近所で泊まるつもり。電車の中から電話で機場酒店(エアポートホテル)を予約しようとするも、タッチの差で満室に。仕方なく民航酒店へ。ツインが215元なり。タクシーは時速120キロでぶっ飛ばし、たったの20分で空港に到着したのはいいが民航酒店の場所がわからず10分ほどウロウロ。メーター95元プラス高速代20元。民航酒店の部屋はまあまあ、6時半の送迎バスを頼み、生姜茶を飲んで風呂に入ったらもう12時。寝る。

こんな部屋。バスルームはバスタブ無しのシャワーのみ。

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2012年3月29日木曜日

チベット旅行記

day 01 深圳寶安機場付近に前泊
day 02 西寧へ移動
day 03 タール寺参拝・青蔵鉄路乗車
day 04 拉薩(ラサ)到着
day 05 高度順応日・帰りの足の手配
day 06 ジョカン寺とセラ寺
day 07 シガツェへ移動
day 08 タシルンポ寺拝観
day 09 拉薩(ラサ)へ戻る
day 10 ポタラ宮とデプン寺拝観
day 11 青蔵鉄路再び
day 12 ささやかなる鯨飲馬食
day 13 またしても短い旅が終わった


当初の最終目的はやはりというか達成できませんでしたがPlan Bもまたそれなりに楽しく、総体的に満足のゆく旅となりました。しかし香港の気候に甘やかされた南方人の我々にはキビシイ旅でもありました。貼るカイロ28個持っていったけど全然足らんし、雪降ったら寒いし、アラレ降ったらマジ痛いし、空気の乾燥のあまり鼻くそが全部血の塊になって、毎日取っても取っても鼻の穴をふさがんばかりにたまっていくし、この脂性の私が持って行ったSK-IIなんか屁のつっぱりにもならずに顔中真っ白に粉吹くし、夫に至ってはは全身粉吹いて掻痒感に悶絶、しまいには地元の農民から絞りたてのヤク(ウシ科の毛の長い家畜)のバターの塊を買って体中に塗り始めるし、昼は半袖やのに夜は氷点下で、しかし暖房は無いからダウンジャケット着て寝んとあかんし。

出発前から飲み始めていた高山病の薬は大変よく効いたのですが、無視できない副作用として小用が近くなるという効能があり、そして行く先は中国の例のトイレ(俗称:ニーハオトイレ)なわけです。それでもトイレがあればまだいいほうで、今回旅した地域の民族の多くは基本的にはトイレで用を足すという習慣がないため、トイレそのものがそもそも無いという状況にも多々遭遇し、私と夫もまた野グソの達人となりました。特に私においては「人目が全くないわけでもないシチュエーションでも悠々と用を足す」技と神経を会得できたことは、厳しい野グソ道をさらに一歩究めた成果といえましょう。不惑を過ぎても学ぶことはたくさんあるものです。

二週間で頭を洗えたのは四回だけでしたしな。長旅の途中ならどうってことないでしょうが、平素は空調の効いたオフィスで物静かなデスクワークに勤しんでいる人間が短期間の休み取って出かけるには厳しい環境でごじゃりました。いや、子連れじゃなくてほんとによかった・・・。なお今回の最高到達地点はこれまでの自己記録を400m近く更新して海抜5068m。しかし別に歩いて登ったわけではありません。





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旅の詳細については大人の事情的に差しさわりのある箇所があり、てけとーにぼかして書きます。