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書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。

2002年10月12日土曜日

汕頭と潮州 いちにちめ

初めての汕頭&潮州。初めての香港人むけパッケージツアー。楽しみなような楽 しみじゃないような。来週のカンボジアもパッケージツアーなので、今週は「練 習」である。練習。何の。

6時半起床。7時40分に上水駅向かいの公屋にてバスを待つ。初めての落馬州過 関だ。るんるんるん。連休初日なのだがさくっとイミグレを越えて、中国側皇崗 でバス乗り換え。案内されたバスを見てやや憮然。古ぼけた珠海製の国産車。狭 い車体に47人詰め込んで出発だ。はめごろしで開けられない窓なのに、クーラー の効きが悪くて空気がどんより。








9時出発。案の定スピードの出ないバスであった。広東省の主要都市を結ぶ高速 道路は日本なみにコンディションがよく、制限速度は一応100キロだが出せる車 はもっと出してびゅんびゅん走っている。HINOやHYUNDAIやDAEWOOや廈門金龍の 新車に追い越されるのはまだ納得もいくが、10年モノの楊州臥舗車に抜かされる っつーのはいったいどういうことやねん。80キロ出てるのかこのバス。ぶつくさ 言ってるうちにタンクローリーにまで追い抜かされ、一同唖然。しかしツアー料 金を考えると一分銭一分貨か。ファイブスターホテルに2泊して、香港-汕頭- 深センの交通つきで、食事6回付きで一人599ドル。

朝が早かった我々はぐうぐう寝てしまった。起きると昼食。11時半。后門という 汕尾に近い町で、ドライブインレストランがどっさり並んでいる。我々のバスが 止まったのは、その名も「后門飯店」。裏口でこっそりメシを食っているような 落ち着きの悪さである。后の字は正式には魚偏なのだそうだが、そんな字普通語 にはないんじゃないかな。

食事は覚悟していたほどひどくはなかった。豚のラードでがっつり炒めた野菜は 独特の香ばしさであり、ピーナッツオイルやカノーラオイルの香港では食べられ ない味だ。コレステロールとか的には最悪なわけだが。しかし団友(ツアーメイ ト)がみんな料理の数を真剣に数えるのでちょっとびっくり。皿数はツアーの食 事においてはきわめて重要な項目なのだそうだ。料理の数に関する言葉が「一汁 一菜」ぐらいしかない貧しい島国から来た田舎モノの嫁には、ようわからん感覚 です。

食後は高速に乗らずにそのまま汕尾の天后廟へ。このあたりの言葉は、も はや広東語ではなく、どうやら潮州語に近そう。天后廟はかなり大きく、福建風 の装飾屋根が美しい建物でした。相棒は早速お線香を買って焼香していた。半時 間ほど見物して出発。












再び高速に乗って汕頭へ。またしても後続車に追い抜かされ続ける。途中の恵来 という街に大きな教会があり、多分カソリック系。小さな教会も結構たくさん見 たので、このあたり、戦前の布教活動がよく成功した地域なのだな。相棒の故郷 にも新旧問わずクリスチャンはけっこういる。伯父たちもそうだし、香港で一番 親しい同級生は牧師だ。日本では私の身のまわりにはあんまりいなか ったなあ。

汕頭に近づくにつれ、豊かな水田に点在する農家の建物が美しい。30分ぐらい走 るごとに建築様式が微妙に違ってきて、それも見ていて楽しいのだが、古い建物 だけではなく、どう見ても最近立てられた家も、全中国どこでも見られるタイル 張り3階建ての味気ない建物ではなく、その地方の伝統的な様式にのっとって建 てられている。コストを考えても、利用できる面積(伝統的家屋は平屋建て)を考 えても、どうみても割に合わないと思うのだが。美意識とかメンツとか、なにか 理由があるのだろうか。相棒仮説:景観保護地域に指定されていて、このスタイ ルの家しか建てられない。<真偽は如何。

汕頭に到着したのはもはや夕暮れ時。深センから300キロしか離れてないのにな あ。泊まるべきホテルの前を通り抜けて、バスがまず泊まったのは茶芸館。お茶 屋です。工夫茶を何種類も飲まされ、おいしかったりおいしくなかったりだ ったが結局何も買わず。だって高いもん。スワトウ名物刺繍もあった。ハンカチ 一枚いちまんえんぐらい。さすがに綺麗だけどね。 茶屋を出てこれでホテルに入れるかと思ったら、バスはなぜかさらに郊外へ走 り、薄暗い汕頭大学の敷地内に入って一周、バスに乗ったまま構内を見学。なん か面白いですか?大学。それからもはや暗くなった街を走ってレストランへ。

レストランはいっぱいで席がなく、しばらくバスの中およびレストラン入り口で 待つことに。半時間ほども待ってやっとこさ着席。ここでも団友の皆様方は皿の 数を数えていた。味は馬虎。魚のすり身を竹輪ふうにしたのがたくさん浮かんだ スープがおいしかった。9時ごろホテルにチェックイン。客のほとんどはタイ& シンガポールの潮州華僑。部屋はシンガポール系のホテルらしく、体を洗うシャ ワーがバスタブの外についていてるんるんるん。新しくてキレイでよかったよ ん。

オプショナルツアー「夜の汕頭と風味小吃」に誘われたが不参加。すまんのう。 バスの中からめっこをつけていた繁華街へ。しかし食べ物屋台はあまりなく、不 本意。小さいつまらん物を売る屋台がたくさん出ていて、にぎやかだった。三輪 (自転車タクシー)ホテル近所まで帰り、ホテル向かいのタイ料理屋で魚頭カレー と豚の首の肉とパラッタ(インドの主食の一種)というわけのわからん取り合わせ でビール2本飲んで、今日はおしまい。