朝、雨の音で目が覚めた。この時期は乾季のはずなのだが。緑の水田が雨にけぶっている。大きな駅で停車。ものすごいベトナム訛りなので途中まで気づかなかったが英語の車内放送だった。この駅での停車時間は15分、その間はトイレを使わないでくださいとというところが聞き取れた。
停車時間が15分というとかなり大きな駅のはずなので、まさかもうHue到着だろうかと心配になり、乗務員に確認。Danangだった。心配そうに駅を見つめていたどう見ても日本人女性に話しかけると、やはり日本人。会社をやめてご主人と数ヶ月の旅行中だそうだ。朝食はおかゆ。VND10K/碗。
海沿いの素晴らしい眺めのルートを走り、Danangから四時間ほどでHue到着。めっこを付けていたホテルまで、タクシーでUSD2。その宿はガイドブックにはUSD12-15とあったが、最初に見せてもらった部屋はUSD25、これより安いとなるとUSD22の部屋があると言われたが、見せてもらった部屋が充分に広く、見晴らしの良いベランダ付きで、天井が素晴らしく高かったのでOKとする。綺麗なバスタブにシャワーカーテン、ホットシャワーにクーラーにテレビ付きという至れり尽くせりの部屋であったが、なによりすんばらしいのはラブリーな螺鈿の家具。安い(軽い)木に座りの悪い雑なつくりとはいえ、アジアン家具好きの私としては気分がよろしい。
これは部屋からの眺め。
チェックインしつつ、Hue郊外ツアーの話と、次の目的地への交通の話を尋ねる。郊外ツアーは半日USD3、Full DayでUSD7。Huian行きのバスはUSD3。相棒はバスが安すぎるのでやや心配という。別のオペレータでもあたってみることにしよう。
とりあえず昼食。適当に入ったレストランが、地元の人が洋食っぽいものを食べる用の店で、ベトナム料理屋を期待して入った我々はガクゼン。Noodleとあるので当然Pho(フォー)を予想して頼んだら、インスタントラーメンのお湯をかけたものが出てくるとは一体誰が…(以下略)。結局まあまあおいしかったのはコーヒーだけ。インスタントラーメンx2、チャーハンx1、コーヒーx2で計VND120Kほど。一食損した…。
とりあえず腹の虫をなだめたので、故宮へ向かう。橋をわたってちんたら歩いてゆく。途中でシクロにたくさん声をかけられた。タイや中国ではもうなかなか見なくなった商売だ。インドにはあるだろうけど。三輪やサムローやリクシャを見ると常に、老舎の『駱駝祥子』を思い出す。We should try to have some sympathy to this poorly paid trade.
だったら乗ってやれとも思うのだが、ベトナムのシクロって三人では乗れんのよね。で、歩く。故宮は寂れた感じがなかなかよかったが、相棒にとってベトナムのこういう観光名所は規模の面で明らかに中国に劣り、かつ印象の面で中国の変な真似っこみたいに見えてしまうらしく、あまり感心していない模様。
Hall of Mandarins(文人堂・官人堂)の壁に漢詩があり、小僧と二人で解読していると、ミシュランのガイドブックを持ったフランス人に読めるのかと尋ねられた。「これはとても標準的な古典中国語の文法に沿っているので読める」と説明。中国語の古文は東アジアにおけるラテン語なのだとも。
故宮のとなりの博物館へ。展示館は昼休みで閉まっていたが、庭に展示してある共産党の戦車が小僧には素晴らしいアトラクションとなった。
さて、相棒も小僧も美術館には行ってくれそうにもないので、次は市場。ぐずる小僧におやつを買い与え、なだめすかしながら歩かせたが、市場を一目見て「街市はイヤ!」と怒りだした。仕方なく、ビタミン補給のための蜜柑だけを買ってホテルへ帰る。風呂。寝台疲れが出て少し横になる。
が、眠ったのは年寄りの相棒だけで、小僧はテレビのカートゥンネットワーク、私は無料で使えるPCでメールだけチェック。もちろん仕事のメールはチェックしない。電話も切ったままだ。
いい時間になったので夕食へおでかけ。ハズレくじを引いた昼食の埋め合わせをすべく、フレンチ・レストランへ。といっても、LPのOn a Shoestringに載ってるぐらい安い店だが。
チキンと豆類の料理、グリル三種(鴨、えび、イカ)、海老のフリッター、チーズのパスタ、なんだかすんごくおいしいバゲット、ハウスワインを赤白二杯ずつ、小僧はホットチョコレート。以上がVND450K、HKD225ほど。どれも大満足なお味でした。隣のテーブルの英国人の家族は、我々の食欲(皿が次から次から運ばれてくるので)をオドロキの横目で見ていた。食べ過ぎてデザートもコーヒーも頼めなかった。
暗い夜道を歩いて帰り、小僧、転倒。
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書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。