出発。建物の中は十分に暖かくしてあるのだが、一歩外に出るとやはりとても寒い。駅でラテを飲んで乗車。
定刻通りの出発。車窓からの景色を楽しみにしていたのだが、霧で何も見えない。車掌さんが検札に来たが、黒の制服は襟と袖口にぱっと明るい赤のパイピングで、同系色のネクタイがなんとも言えず小粋なうえ、老眼鏡のフレームをまたおなじ赤で合わせてあってお洒落なこと、禿頭がなんとも言えずチャーミングな車掌であった。
途中でトンネルを抜けたあたりで一瞬とてもよく陽が差したが、風景はまたしてもすぐきりに戻った。
定刻通りにベネツィア・サンタ・ルチア駅到着。水上バスは7.5€で60分間有効、San Toma船着き場まで30分ほど。思ったより寒くて凍えそうな気候である。
心配していた宿はあっさり見つかり、事前にメールで貰っていたパスワードで玄関ドアを開け、中にはいった。
玄関のテーブルに今夜の客の名を書いた紙が折って立ててあり、広げると「アタナの部屋は階段登った左」とあった。オリエンテーリングかRPGみたいでおもしろい。
部屋はまだ清掃中だったので、荷物だけ置かせてもらってすぐにお出かけ。昼食を食べてから、路地を抜け、橋を渡ってサンマルコ地区へ。日の落ちる前にサンマルコ大聖堂にたどり着けた。壮麗。入るのは明日にする。ぶらぶら歩いているうちにゆっくり日が暮れた。
広場のカフェでコーヒーとホットチョコを飲んでから宿へ帰りかけるも、すっかり道に迷ってしまい、さっき通った道を正確に逆行することでなんとか宿にたどり着けた。聞いていたとおりの迷宮だ。
昼に€60も使ってしまい、おまけにたっぷり食べたので、夜は安上がりにピザで夕食とする。一枚€3.5、本場のピザはクリスピータイプが多いのかと思っていたら、その店のピザはどれもこれももっちりふわふわタイプであった。お腹がふくれた。
宿に戻ると宿主がいて、チェックイン。大変物静かなタイプの男性で、名はマルコ。次のフィレンツェの宿主の名もマルコだということはわかっているので、もしローマもそうだったらマルコ三連発である。
風呂に入って洗濯して就寝!