お寺には必ずある鹿と法輪。
お焚き上げ用の煙突の装飾。
遠くに見えるポタラ。
しかし視線を落とすとハイ警察。
向かいの建物の屋上に人影2つ。これも公安です。
全くどことっても官憲が必ず入るよな…(右手に女性に話しかける警官)と思ったが、画像を拡大してよく見ると全開の笑顔で白い歯を見せており、ひょっとするとナンパだったりするのだろーか。
出てきたら一時半。昼食に野菜をたっぷり食べたくなり、またしても川菜館へ言ってホウレンソウ炒めを頼む。あとはじゃがいもとヤク肉の紅焼。ご飯が真っ白のジャポニカ米をもっちり炊いたやつでヒデキ感激！(死語)
セラ寺へ行く。河口慧海が修行した寺であり、現在では辦経(僧による仏教問答)で有名な寺である。4つぐらいある大きな建物を楽しくめぐる。タントラ(後期密教)学院があった。
ああ、チベット語が読めたらなー。
厨房。こういうのは見ていて飽きない。お玉がきれいに並べられている。鍋が大きいなあ。火の周りなので柱が木じゃなくて石だ。毎日ツァンパだけ食べてる訳じゃないのね。などなど。
問答はこれがもう楽しくて楽しくて飽きるまで見ていたかったが、夫があまり興味なさそうなので、写真を撮るだけとって去る。ラマ僧の集団を見るたびに思うのは、比叡山の僧兵ってきっとこんなんだったんだろうなという事である。
あああ、内容が聞けたらなー。仏典に即した内容のみなのであろうか。それとも「怎麼生？」「說破！」(そもさん・せっぱ)みたいに、謎解き的なことも含んでいるのであろうか。
本殿を朝拝(コルラ・時計回りに一周すること)できる山道があり、歩いてみる。壁画がたくさんあった。
脇にはねじねじになった老木があり、タルチョがはためいている。
ここでも桜が咲いていた。
山道のクライマックスはこちら。本殿の金の屋根とポタラ宮の裏側。ラサを一望。
山道をひと回りして戻ってくるとほぼ５時で、問答を終了した僧たちが「いやー、今日も充実した問答だったねー。」と言わんばかりの満足気な笑顔でぞろぞろ出てきて、三々五々でそれぞれの僧院に別れてゆくのが大変好ましい眺めでありました。このとき望遠レンズをつけたままだったのですぐそばを通る僧たちの笑顔を撮れなかったのが大変残念。
僧侶の数は全盛期に比べて何分の一なのであろう。
あちこちが修復中で、若い衆が働いていた。皆で歌いながら床をつき固める工程。蔵服がラサ人のとはまた違った服装だった。どこの地方からきているのだろう。
バスで市街へ戻り、また別の茶館でお茶。ここのミルクティーはややヤクバターの匂いがした。それからジョカン寺の周囲を巡り、巡礼客たちの写真を撮る。撮る前に会釈を交わしただけのひともいれば、少し立ち話をした人もいる。ラサの人は写真を取られるのを断る人が多いが(観光客に飽き飽きしているのであろう)、地方からの巡礼は喜んでファインダーに収まってくれる人がほとんどだった。ここには載せないいが、私や夫と一緒に写ってくれた写真がたくさんある。
五体投地をする母親の横で武警のにいちゃんにちょっかいを出すチベタンの子供。オレンジの水鉄砲で水をかけたら武警のおにいちゃんが「ええもんもってるなー。貸してー。」と取り上げ、反対に子供に水をかけた。きゃっきゃと喜ぶ子供。武警は寒くなったのか、上着をとりに戻った。もう一枚上着を着てヘルメットをかぶりなおす間、如意棒みたいな棒を「持っといてな。」と子供に渡す。
五体投地をしている母親(左手前)はそれを見てはらはらしっぱなし。「その人達はお仕事中なの！邪魔をしてはいけません！戻りなさい！」「おかーちゃんウルサイんじゃー。ばんばんばん！」
棒を子供に預けたままもとの警邏の位置に立つ警官に、「おにーちゃん、棒忘れてんでー。」
「ええからキミずっと持っといてやー。」(歯を見せて笑っている)
もう一人の武警も「もう一本やろかー。」
この気のいいお兄ちゃんたちも、上司に命じられれば目を背けたくなるような凄惨な弾圧を容赦なく実行せざるを得ないのだろう。
夕食。肉を食べたい(またかよ)という夫の所望で、回族の清真餐館を探す。旧市街は迷路のように道がうねっているのに、夫は「昨日ここで見た。絶対見た。」とずかずか歩き、清真餐館が三軒並んだ細い通りに入った。食べ物が絡むとなぜこうスルドイのだろう。半斤では稍微少(やや足りない)気がしたので、ヤクと羊を６両ずつ。満腹！甘肅回族の主人といろいろ話をする。またこの老人の訛りがきつく、私には半分ぐらいしか意味が取れなかったが、夫は全部聞き取っているので素直にスゴイと感心した。
食後に小昭寺(ラモチェ)まで足を伸ばすも、もちろんもう閉まっており、急激に寒くなってきたので宿に戻り、ぬるいシャワーをむりくり浴びて就寝。あすはシガツェへの移動日なり。
