***このブログについて***

書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。

2012年4月10日火曜日

day 12 ささやかなる鯨飲馬食

夜中に上の寝台から何かが落ちてきた。懐中電灯が灯り、中寝台の香港人が下を照らしている。夫が半分寝ぼけた声で聞いた。「何落としたんや。」←おもいっきり広東語。(ノ∀`)あちゃー、というのはこういう時に使わずしていつ使うのだ。

「i-phone落とした。i-phone。液晶割れてないかな。」「探したるから電灯よこせ。」「悪いな。」「別に。」厦門人とか言うというてその広東語はないやろキミ・・・。落とし物は無事見つかり、再び皆で眠りに戻った。



起床。明け方i-phoneを落としたのとは別の、例のスルドイ男が夫に単刀直入に聞いた。

男: 「どこの出身?」(広東語)
夫: 「厦門。」(広東語)

茶噴くかと思った。いやあ、青蔵高原は絶景だなあ。今日は天気もいいし。快晴で空が青いよね。

男性と夫は何事もないように世間話を続けた。広東語で。たいそう盛り上がっているので私はもう知らん。朝ごはんはカボチャ入りの白粥、三種類の漬物とマントウふたつ、ゆでたまごで10元だった。列車は遅延なしに10時頃西寧に到着、周囲の皆さんとにっこり笑って挨拶し、下車。

私: 「最終的な設定は、厦門出身の香港人が里で嫁をもらった、かね?」
夫: 「落とし所はやはりそこでした。つーかチベット出たからもうええやん。」

駅の外に出るのにプラットフォームをくぐる階段を一旦降り、それから登っていて、夫と同時に気がついた。フル荷物なのに全然しんどくない!酸素が濃いって素晴らしいですね、皆さん!

タクシーの運転手に東関清真寺付近の三星級ホテルに行ってくれと依頼。メーター25元で止まったのは伊来頓かな、そんな名前のホテルで400~500元。ちと高いので、歩いて探すことにする。酸素濃いし。十字路に出てぐるっと見渡すと見覚えのある場所。青蔵鉄路に乗る前に、良さげな宿だなあとめっこをつけていた宿がすぐそこに見えた。ラッキー。

入ると日本のビジホ風で、簡素ながらも極めて清潔。表通りに面していない高層階の静かな部屋をリクエスト。145元の部屋は窓が狭かったので窓の大きい部屋をリクエストしたら、窓だけではなく部屋自体もゆったりした角部屋を見せられて、178元。異論なしの大満足。

こんな部屋。

Tibet271.jpg

Tibet273.jpg


部屋は言うに及ばず、バスルームにまで暖房があった。久しぶりにゆっくりシャワー浴びよう・・・
IMG_6807.jpg



まずは腹ごしらえ。夫待望の手抓羊肉。脖子、つまり首の肉指定。1斤食べた後店を移動して新疆風味のラグメン。腰のある麺が私の大好物だ。そして表面に黄色い脂分の浮いたヨーグルト。絶品。


おなかがひとごこちついたところで、なんとなく観光に出かける。南山寺へ。市の中心を少し離れた丘のてっぺんにある漢族の寺。札は漢字と蔵字と満州文字で出ていた。蔵文でお経を書いてあるらしき黄色い布がめぐらされていたりするし、新しいお堂のご本尊の開光供養式の写真を見ていると、チベット仏教僧もたくさん列席していたりして、普通に交流がある模様。

Tibet275.jpg




さらに省博物館へ。新築のすごくでかい建物で目が期待でハート型になったが、建物の半分はなんと証券取引所。そんなもんが同じ建物に同居とは、なかなかない発想である・・・。規模は思ったほどではないものの、展示物は何しろ中国なので見ごたえあり、展示自体も新しくてセンスが良い。見る価値アリです。

牛を咥えて飲み込もうとしている狼のデザインの金飾り。漢代。

Tibet276.jpg


ササン朝ペルシャの銀貨。

Tibet277.jpg


左は西夏、右は金王朝の印。

Tibet278.jpg


両方とも清朝のもの。満州文字が彫ってあります。

Tibet279.jpg



昼も夜も羊肉でアレだが、夕食はシシカバブ。かなりの分量を焼いてもらい、羊腰(腎臓)も6本焼いてもらった。うますぎる。但し回族の店なのでビールが飲めず、追加で焼いてもらった分は宿に持ち帰って食べることにした。帰り道にもちろんビールを買う。ラサビールは西寧でも売っていた。


シシカバブ屋のストーブ。あ~あ、あすの夕食は香港でか。

Tibet281.jpg