はやめに起床。息子が約束の時間に三十分遅刻。ようやくやってきたのでスーツに着替えさせて、三人でお出かけ。指定場所にガウンと帽子を着せてもらいに行く。来て出てきたのを見ると、あらあら馬子にも衣装。
私もちゃんとした服を持ってこようかと思ったのだが、パンプスを全部処分しちゃったのよね…。華奢なサンダルすら無し。夫もネクタイを締められるような服を持ってない(ネクタイ自体は持ってることは持ってるが、前回締めたのは二十数年前の私の弟の結婚式、その前は三十年前に私の両親に挨拶したときである)ので、もういいやって思っちゃった。今にして思うと、こういう場で親が揃って並んでるなんてのは、周囲に向けて文化資本や経済資本丸出しなわけであって、もうちょっと見た目をちゃんとしてやっても良かったな。息子にちょっとすまなく思う。
友人と挨拶しているのを可愛く見る。特に仲のいい友人はアイリッシュ系のロンドンっ子で、香港の民主化で卒論を書いたという子。肩を越す長さの豪勢なくるくる巻き毛の半赤毛に丸眼鏡だった。
ホールに入る。卒業式は学部ごとに数日間にわたって行われ、今日の人文学部が最初。九時入場九時半スタート。
デコラティブな長い棒(儀仗?アレはなんていうんだ?)を担いだ人二人を前後にして、学長と教授と来賓の入場。学長挨拶。来賓紹介(女性卒業生、保守党の政治家でキャメロンからメイ内閣で運輸大臣や教育大臣を歴任、家族の中で初めての大卒で、今回大学から名誉博士号を授与)、来賓挨拶。それから学部ごとに卒業生の名を読み上げて学長と握手。ガウンが違う修士と博士は研究内容も紹介されていた。
そして息子から事前に聞いていたのでじっくり見ていたが、人文学部の学部生には確かにアジア系の学生が(東アジア系も南アジア系も)ひとりもいなかった。博士号をとった中国系の名前の女性が一人いただけ。この女性は後で外で見かけたら、お母様がタイの正装をしてらしたので、ミックスなのかなと思う。
息子はフルネームで呼ばれず、一見ミドルネームに見える日本姓の部分(長いし)を飛ばされたのでプンスカ怒っていた。ホールを出て、外に張ってある大テントの下でシャンパンを振る舞われる。友達と写真を取りまくり。卒業生とその親用の無料バスに乗って大学へ。学長と握手してる瞬間の写真が売られていたので速攻で2枚買う。
あちこちで写真を取りまくる。庭とか図書館とか。明かりの消えていた大教室にこっそり入って撮る。ガウンと帽子を返して、バスに乗って市街地へ帰ってきた。歩いていると息子行きつけのパブと茶餐廳が一緒になったみたいな店があり、ビールが安いというので入る。
外の席が涼しいので座ろうとすると、この通りではアジア系は絡まれやすいから外はやめとこ、という。酔っ払いによる絡みのほかに、ホームレスが寄ってきたりすることもあるので、アジア系だけでは外には座らないことにしていると。ステラとギネスとブームバーを頼んで10£以下と確かに格安。Whethetspoonという、空港にもあったチェーン店。
少し酔って宿に戻り、酔いと日焼けと歩きで疲れ切ってぐうすか寝ました。歯だけ磨いて、またしても風呂無しの倒れ寝。