4;45起床。駅で小豆粥(甘くはない)と油条の朝ご飯を一人一元で食べて乗車。乗車してみると、なんと寝台車はガラ空き状態。ところが発車してしばらく経つと、硬座車の方から人がどんどん入ってきた。もともと寝台車にいた青年が私たちに言うには、プラットフォームから寝台車に乗車するには寝台券がいるが、列車が発車してからはわずかな袖の下を乗務員に払えば入れてもらえるのだそうだ。こみこみきちきちで往々にして通路にすら座り場所も無い硬座車より、寝台車はもちろんずっと居心地がよいため、多くの人がこうやって寝台車に入ってくるのだ。
つまり、この袖の下を得るために、駅では寝台のチケットの売り惜しみをしているのである。あっても売らないのだ。
本来のキャパシティを越えて、どんどん人が入ってくるのと、こういう人がその辺で痰を吐き、タバコを吸い、もちろん吸殻を床に捨て、ゴミや西瓜の皮もどんどん床に捨てるので、列車が寝台とは思えないほど汚くなってきた。銀川でチケットを買うとき、3段あるうち下の寝台をリクエストしてそれは結局買えなかったのだが、かえってよかった。違法に乗車してくる人がどっさり勝手に腰掛けるため、下の寝台だと自分の寝台なのに横にもなれない。
この列車の服務員ときたら、間違えて隣の席の舗牌(乗車票・寝台の切符とひきかえにくれる)を与えられた乗客が、自分の予約席は13号で、これは14号だから替えてくれるように頼んだところ、「うるさいなあ、いちいちそんなことで面倒がらせないで!」と怒鳴りつけたので、横で聞いてた私はさすがにたまげた。しかし、ではこの服務員が極悪非道の人非人かというとそうでもなく、迷子になって泣いている子供をあやしながら親を探して車両を行ったり来たりもしていたので、要は私と常識が違うということなのでしょう。
夕方五時、包頭に到着。駅から輪タクで市中心へ。金鷹賓館、バストイレ付60元とリーズナブルであるので、さっそく登記しようとしたら相棒の回郷証をみて、「外賓は接待できませーん。」ここで香港人は中国人だとゴネても、私の登記時にバレたら時間が無駄なだけなので、あきらめて敗退。つーか、仕事したくなさそうな感じだったし。
香港人の立場はとっても不確実だ。時にこのように外人扱いをされ、時に昆明の茶花でのように向こうの勝手な都合によって中国人扱いをされたり外人扱いをされたりする。
向かいの包頭賓館、ツイン118元と強気の値段設定。ふっるーい建物なのに。北方では自費の観光旅行客などまだほとんどおらず、公費出張や発票(レシート)出したら出しただけ、単位(勤務先)が払ってくれるような旅行とかばっかりなので、ホテルなどはやたら高い。市場競争原理が働かないところでは仕方がありませんね。
副楼がやや安いと言うのでそちらへ行き、118元を100元にまでまけてもらって泊まる。相棒、体調を崩し気味で荷物を持っては動けない。
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書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。