朝7時にバス停(正確にはトラック停か)へ行き、モン・サイ行きのトラックに乗りこむも客が集まらず、結局8時半ごろ出発。道は恐るべきボッコボコ道で、しかも雨が降り出した。我々は荷台の一番前に乗っていたので、幌を上げればずぶぬれ、下げれば車酔いという、前門のなんたら後門のうんたらみたいな状況で、幌を上げたり下げたりちょっとめくってみたりと、ツライツライ5時間を過ごした。しかも、狭い荷台に10人以上も乗っており、それぞれがでかい荷物を持っているので身動きも取れない。きっちきちである。
私は本日は暑いだろうとナンの根拠も無く予想、朝からけっこうたくさんの水分を取っていた。そしたらトラックは山をぐんぐん登りだし、高地で涼しい上に小雨まで降り出して、トラックががんがん走ると冷たい風がびゅうびゅう吹き込み、結局トリハダが立つほど寒い一日となってしまた。私、半袖一枚。そうこうしているうちに、さあ大変、トイレだ!どこにあるねんそんなもん。
人口密度が高く、無人の地というのがめったにない中国では、質の高下さえ問わなければ公共交通機関が走っているような道で公衆トイレに困ることはない。今まで中国でのぐそやのしょうべんをたれたことというのは一回もない。しかし今はラオスの山の中である。
結局ドライバーに頼んでトラックを停めてもらい、衆人監視のなか見えないところまで走って行って、道の端で済ませた。車などめったに走っていない道路でよかったなあ。しかし立小便のできる体に生まれたかったことよ。
つづらおりの山道をもうええわというぐらい堪能した後、トラックはモン族の集落で一旦停車。緑の水田がどこまでも広がる、美しい盆地だった。水田に点在する民家の屋根は一方が垂直で一方にのみ傾斜がついており、ヨットの帆そっくりであった。黒い服を着たモン族の女性たちが、何名か下車していった。
一時半ごろモン・サイに到着。運賃はここまで3500Kipであった。ここの住民はラオ族。しかし中国からの移民が多いらしく、中国人や漢字の看板をちらほら見かける。さて急いでルアン・プラバン行きのトラックを探すも、なんと誰もが「ルアン・プラバンには陸路では行けない」というのだ。地図で見たらほんのちょっとの距離なんですよ。
さらに突っ込んで聞きまわると、モン・サイからトラックでひとまずノン・キウ(ノン・キャウ?)まで行き、そこからボートで河を下れ、との指示であった。モン・サイからノン・キウまではトラックで5時間、ノン・キウからルアン・プラ・バンまではスロウボートで4時間、スピードボートで2時間とのことであった。では本日中にノン・キウまで行くトラックはあるのかと聞きまわるも、これも無し。
イミグレのおじさんが「飛行機にしなさい」と強力に勧めていた理由がだんだん実感されてくる。
というわけで本日は不本意ながらもモン・サイで一泊。目に付いたキレイなホテルで値段を聞くと13000Kip、うひょう。すごすごと引き返し、メインストリート沿いの旅社(華人経営)で6000Kipもしくは60元あるいはUSD8.00。バス・トイレ付き、ホットシャワーだというのでチェックイン。2年前に思茅(西双版納の北にある漢族の街)から移民してきたという家族の経営だけあって、きわめて中国くさい宿であった。
ここでも麺は昨夜とおなじく一杯500Kipであった。しかも具は肉なしの卵だけ。中国より食の物価がかなり高い気がする。銀行へ両替に行くとまだ3時なのに現金が無いので明日明日と言われ、マーケットの闇両替屋を探すと1軒目1USD=900Kip、2軒目940Kip、田舎ではレートが悪いのが一般的だろうから、とりあえず50ドル替えてみた。
さて、することもないので村外れまでのたのた歩く。ドイツ人男性とアメリカ人女性の夫婦に出会った。彼らも今日、ルアン・ナム・タからトラックで来たという。明日ルアン・プラ・バンへ向かうと言うので、どうやって?と尋ねると、LP(Lonley Planet)によればここからナンボックという村へ行き、そこからボートに乗ると書いてあるとのこと。ナンボック?そんなの初耳だ。
私たちが今日聞いたノン・キウの話をすると、彼等はそれは初耳だと言う。とりあえず明日朝8時ごろにバス停(トラック停やって)で、と言って分かれた。
ノン・キウ、ナンボック、どっちだ?
夜、ラオス人のレストランで炒米粉5元、卵焼き2つ分5元というさみしい夕食を取る。やっぱ意外と物価高いような気がするこの国。結構寒く、風呂にも入らずに寝る。
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書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。