***このブログについて***

書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。

1997年1月18日土曜日

ダッカ自由行動の日

起床後、ダイニングで朝食。トースト&エッグと言えば聞こえが良いが、卵はともかく食パンは悲しい味だった。ジャムの替わりに強烈な蛍光色のゼリー状のものが添えてあり、もちろん口にはしていないが、なんだったのであろうアレは。

銀行で両替。USD1=Taka42というレート。さあ、どれほど使い出があるのだろう。徒歩圏内にマーケットがあるというので出かける。行ってみたが、どうしたわけか食材部門も含め、ほとんどの店がまだ開いていない。ダッカの朝は遅いのか。先に郵便局に言ってみた。小さい郵便局が人でごった返していたので、すごすごと引き返す。絵葉書なんかも売ってなかったし。

マーケットはぼちぼち開き始めていたが、ひなびた味わいのあったビルマの市場とちがって、ちゃちな工業製品を扱う店が多く、あまりおもしろくない。土産屋、骨董屋も何軒かあった。絵葉書を買う。1枚3Taka。5枚買った。13枚でUSD1という計算になるので、タイバーツだと一枚2B、ビルマチャットだと12~13Kyatで、両国に比べてずいぶん安い。が、絵葉書自体の質もかなりちがう。国内印刷だろうか。

のどの炎症をなんとかするために、みかんを探した。果物セクションに足を踏み入れるなり、「マダーム!!!」の集中攻撃を浴びた。「マダーム、Carry?」と叫びながら、頭にかごを載せた子供たちが寄ってくる。とても落ち着いて見ていられない。そのうち、私たちの中国語を聞きつけて、すいか売りが中国語をしゃべりだしたのには驚いた。どこで覚えたのだろう。

みかん、つやつやの大粒のをキロ5Takaで買う。ビルマではいつも8~10Kyatぐらいのを買っていた。それと比べるとちょっと高めだが、こちらのほうが大きくて味が良い。もっとも、マダーム攻撃から鑑みるに、ひょっとするとこの市場は上客相手にいいものをおいている市場なのかもしれない。

ホテルに帰り、廊下の突き当たりの大きなベランダに椅子を持ち出し、日に当たりながら絵葉書を書いていると、下の道に路上生活者とおぼしき子供たちが集まってきて、今度は「マダーム!ハングリー!」攻撃が始まった。小心者の私はなかなかゆっくりは座っておられず、尻尾を巻いて部屋に戻る。部屋は寒く、湿っており、異臭がする。昼も近いので、レストランへ逃げることにした。

昼食はチキンカレー、ポテトカレー、カレースープ、カレー炒飯、白飯、生野菜、以上。ブッフェ形式であった。味はまずまずで幸せである。

同席したカナダ人の気の毒な話を聞く。彼は私たちと同じ便でダッカに来たのだが、ダッカ空港の混乱のせいで、何の誘導も無いままにイミグレに並んでしまい。イミグレの役人に「君はビザを取得する必要がある。30日ビザがUSD50 。」と言われてしまったのだそうだ。そして彼もそもそもトランジットということをよくわかっていなかったせいもあり、そういうものかと考えてUSD50を1100THBで支払ってしまったのだそうだ。払ってからトランジットデスクに案内され、ホテルへの送迎を申し出ると、ではパスポートをよこしなさいといわれ、軽いショック。何で?との問いに対し、「あなたはトランジットパッセンジャーなので、ビザ無しで入国することになるので、ビーマンがパスポートを預かります。」とのこと。そこでほかのトランジット客にビザ代の件を尋ねると、もちろん誰も払っていない。つまり、やられたのだ。

私がレシートもらった?と訊くと、うん、と言って見せてくれたのは手書きの銀行のレシート。なんでイミ切れでビザ代払って銀行のレシートなのだろう。ようわかりません。明日空港で返してもらうように交渉すると彼は言うが、それは難しいとおもうなー。

絵葉書を出しに、郵便局へ行く。アジア地区へは10Taka、30円ぐらい?切手は単色刷りで、まるで日本の印紙のように味気なく、記念に買う気があまりおこらず、6Takaと2Takaを買うにとどめた。私はもひとつ心配だったので、ぜひとも目の前で消印を押して欲しかったのだが(発展途上国ではしばしば必要な確認である。でないとはがして転売する職員がいる。)、今日はもう消印を押す時間は終わり!と言われて、やむなく郵便局内のポストに投函した。この絵葉書はちゃんと届くのだろうか。(後日、日本の実家到着を確認。)

町をうろつき、ミネラルウォーターを買い、宿に戻って再びベランダで日に当たりながら午後を過ごす。ダッカは男性がめったやたらと多く、町で見かけた男女比率は100:1ぐらいの感覚であった。ムスリムの国なのだなあ。しかも本日一日で十指に余る野グソ(現在進行形)を目撃、インド亜大陸に到着したという実感がひしひしとわく。

夕食は昼と全く同じメニュー。ちょっと笑った。カレーとカレーとカレーとカレー。カレーの苦手な相棒はうなだれている。私はライムを大量に搾って、ものすごくすっぱいカレーにしておいしく食べた。