しばらく上ると、ブロモ火口が吹き上げる硫黄を含んだ煙るが階段に沿って降りてきて、死にそうになった。息はできないし、目は涙であふれる。鼻水はだだ流 れになるし、げほげほずるずるくっちゅーん、はあはあげほげほ・・・と、布を口で押さえてうずくまってしまった。階段にいた全員が同様の体勢で口を押さえ てうずくまりつつ、じりじりそろそろt階段をにじりあがって行く。にじりあがった頂は、見事なクレーターになっていて、かみそりの刃のように細い細いク レーターの周辺をたどって、その最も高いところに立つ。標高2392メートル。
見下ろすと、外側の巨大なクレーターの内側部分は雲海に覆われて底が見えない。
外クレーターから昇る朝日は幻想的に美しかった。振り返って、ブロモ山のクレーター(直径1キロほどかと推測)の底は外クレーターと同じく平らな底で、亀裂が何本も走っていた。亀裂が交差したところからもくもくと絶え間なく白煙があがっている。今噴火したらやだな・・・。
再び歩いてホテルに戻る。7時。軽い朝食を取って眠る。起きたら12時で、雨がざあざあ降っていた。どこへも行くところが無く、そこらじゅう走り回っている立派な鶏を見た相棒が、食べたいと言い出した。ゆうべ夕食をとったメシ屋で、全く通じない会話で無駄な時間をだいぶ費やした挙句、絵を描いたら一発で通じた。鶏の絵。鍋でスープを煮ている絵。横にBerapa?(インドネシア語で「いくらだ?」)。
たくさん集まってきていた人々の「おおー!」というどよめきとともに、小さいのが10000ルピアという回答がすぐ出た。現物を見せてもらう。最初につれてこられたのが年取っためんどりで、卵穴を確認すると結構広がっていたので、若くないなーと難色を示してみた。別のをリクエストすると、すごく小さいめんどりが二羽出てきた。これは小さすぎる。700グラムぐらいしかなさそう。私たちが首をひねっていると、オヤジが大きな大きな立派な立派な雄鶏を連れてきた。首が長く、脚も長くそして太く、どう見ても闘鶏である。相棒が、闘鶏の肉は特別の味がする、肉が粘っこいんだと食指を動かしたが、この鶏はどうみても3キロちかくあり、二人で食べきれる量ではない。この店の持ち鶏はあと一羽、ちいさめの雄鶏だが、オヤジはこちらはさばきたくないという。多分、将来性のある闘鶏なのであろう。最初のめんどりで妥協することにした。中サイズなので12000ルピア、料理代が1000ルピア、しめて13000ルピア。しかしやはりといえばやはり、このめんどりは肉が硬かった。