早朝五時、スピーカーから愉快な台湾演歌が流れ出す。熱がまだ少しあるようで、医者でもらった薬を飲む。解熱剤と抗生物質だということは聞いたが、あまり飲みたくないものだ。
7時半、上海到着。三角屋根の和平飯店を横目に見つつ通り過ぎ、鑑真号で着く国際埠頭とはまたちがった所に着いた。埠頭前から駅までミニバスが出ていたので、早速乗る。5元。駅で荷物を預け、上海第二医科大学へ電話をかけるも、S氏は不在。なにやら事情で日本へ帰ったそうな。どういうこっちゃろう?
S氏不在となれば上海に長居する理由もないので、桂林行きのキップを購入。人民料金で買ってみよう。チャレンジ!>没有。 外人料金で買ってみよう!>硬臥没有。
では軟臥をと購入してみると、ナゼか二人分で600元と格安である。なんと、いつのころからか、中国の列車チケットでは悪名高き外人料金制度が廃止されていたのだ。ひゃっほう!あっさり、しかも以前の半額で当日のキップが買えた我々は大喜び。私なんか、外人料金対策に陽朔で偽留学生証つくらなきゃなーと考えていたのに。
なお、気になる手数料はたったの5元。CITSの手数料といえば、以前は30元とか50元とか、ひどいぼったくりの値段がだったが、ここは良心的。
さて、バスで豫園へ。6年前と同じように、湖心亭で茶でもしばこうと2階へあがったら、最低消費がおひとりさま弐伍元となっており、すごすごと引き返す。さっき皮蛋痩肉粥、猪肝粥、揚げ豆腐と湯葉のスープ、おつけもの、雪菜包、もち米の包子を食べて14元だったのに、お茶いっぱいに25元も払えません。場所代なのはわかるけどさ。
すぐに豫園を去る。人がいっぱいであった。図書館へ行くも、入り口で荷物を預けよと言われ、相棒のカメラバッグの中にはニコンの一眼レフとソニーの8mmビデオが入っており、心配なので預けられず、入れずじまい。
歩いて南京路の新華書店へゆくも、期待していたより小さくてややがっかり。上海の都市規模からいうと、どこか他にもっと大きな書店があるはずだ。
林語堂名言集を購入。5.5元。
相棒は南京路に第一百貨大楼で消毒セッケンを購入。(こやつは消毒セッケンを使うと虫刺されが早く直ると信じている。そんなはずないと思う。)私は玉蘭という香港ではよく見かけるメーカーのUVクリームを買った。SPF15で40元。
4時、駅に戻る。駅の外文書店には目当ての日本語書籍はなかったものの、香港で出版されている「中国旅遊」(25ドル)のバックナンバーが7元で売られており、2冊購入。
5時、食料調達。書店で立ち読みした時刻表によれば、36時間の旅になるはずなので、パン・水・その他オヤツを買い込んで備える。軽い食事をとって6時に駅に入る。
実は私は軟臥に乗るのはこれが始めてなので、ちょっとわくわくする。さすがに硬臥よりキレイだ。しかし相棒がいうには、今回の列車のように上海から広西省に向かう場合、上海鉄道局が管理する、乗務員からコックまですべて上海人の列車と、反対に広西鉄道局が管理する列車の2種があり、乗務員の質、食堂車の味、列車のきれいさ新しさ、どれをとっても上海の方が「当たり」なのだそうだ。
そんなんことはいままで考えたことがなかったわい。してみると今回は「はずれ」か。枕に「柳州客車」と書いてある。(柳州は広西省の工業都市)
しばらくだれも乗ってこなかったので、4人コンパートメント貸し切り状態か、しめしめと思っていたら、杭州から一人、二人と乗り込んできた。
林語堂語録を読む。