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書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。

1996年5月2日木曜日

興安・「霊渠」

陽朔を離れ、興安という街に行ってみることにした。

興安は秦始皇帝がベトナムを攻めるときに作った運河、「霊渠」が現存する街である。これによって湖南省を流れる長江支流のひとつ相江と、広西省を流れる珠江の支流離江が連結され、ふたつの流域がつながったことになる。

これら二つの流域では水位がちがうので、興安に大小天平と呼ばれる堰を設けて調節してあるのだが、その技術と計算が、現在の土木技術の水準を以ってしても驚嘆に値する正確さなのだという・・・。だからこんにちでも現役で使われているわけだ。

さてさて、出発。ところが桂林行きのミニバスがない。一台もない。なんでや?

バス停などで事情をききまくると、なんとストライキ実行中なのだと。桂林駅前で客引き(というか客の争奪戦)をしていたミニバスを、警察が交通整理にあたったところ、そのやり方に不満をもったバスの運転手たちが、スト実行に及んだんだそうだ。

社会主義国でもストってあるのか。労働者が主役の国なんで、職務に不満を持つことなどありえず、よってストライキは存在しないはずじゃなかったのかなあ。という建前はさておき、実際にストが許されるような国だとは思ってなかったんで、なんか貴重なもん見たという気がする。 陽朔を通過して桂林へゆくバスを拾い、乗せてもらう。なんとびっくり、ストは陽朔だけではなく、桂林からいくつかの街へ向かうバス路線も含まれていた。運の悪いことに、興安行きのバスもスト中なのであった。

仕方なく、列車で行くことにする。63キロを1時間45分かけて走る列車のキップは3元。早く乗って席を確保したかったら、「茶座票」というチケットを買って、ちがう入り口から他人より早くプラットフォームに出してもらうことが出来る。(なんじゃそりゃ・・・)

興安到着。霊渠公園の中にある興安霊渠飯店に投宿。見どころ大小天平まで歩いて10分ぐらい。運河に定量の水を流す(あるいは運河から逃がす)ための堰である大小天平は斜めに築かれていて、はめ込まれた石が魚のうろこのように見える。始皇帝の時代から、2度の修復を経て現役なのだ。感動だ。

しかしこの頭痛は何事じゃい。そしてねばっこい緑色の鼻水よ。かんでもかんでもわいてくるぞ。熱もあるようだ。薬は桂林に預けてきた荷物の中だ。こんな時になあ。休むことしか出来ない。