***このブログについて***

書き続けている日記のうち、旅行記をここにまとめておきます。右サイドメニューの「その他の旅行」から各旅行の目次に飛べます。サイドメニューの下のほうの「痩公胖婆400天渡蜜記」は、一年と少し(1996/03/31 - 1997/06/01)にわたった新婚旅行の記録の目次です。気が向いたときにぼちぼちあげています。

1996年5月5日日曜日

貝江苗族村訪問ツアー

外人が泊まれるもうひとつの宿に行くと、部屋はこましなのだが外人料金が倍で、腹立たしいので泊まってやらない。招待所の3人部屋30元シャワーなしに泊まることにする。風呂には入れないが、涼しいので気にならない。

融江支流の貝江沿いにある苗族村を訪問するツアーに参加。バスで行き、船で帰ってくる。ごはん付きで一人70元なりなり。自力で村まで行く方法を聞きまくったが、車をチャーターするしか方法がない模様であった。

さて、バスで苗族村対岸に到着、船着場には民族衣装の子供たちが観光客を迎えにきていた。エライ服を着せられて、エライ化粧をされている。しかし、コドモ自身は楽しそうだ。


苗族の楽器はなかなか印象的だった。笙のような竹製の楽器だが、大きさはさまざま。アルペンホルンのように低音のものもあった。いっせいに和音を奏でると非常に好聴である。ターバンを巻いたじいさまがバンマス(笑)らしく、じいさまの竹フルートに合わせて皆音を出している。じいさまが体を振り振り笛を吹いている所は絵になった。民話のようでもあった。

笛を吹きながら踊る男性の中に一人、異様に踊りのうまい人がおり、ひときわ精彩を放っていた。どう踊ろうが、しょせん観光客相手の見世物のはずなのだが、そんな感じではなく、足をぴっと出してはかろやかに飛び回り、笛をふきならすのであった。実はそれまで「白老アイヌ村 アイヌ民俗ショー」とかを思い出してなんだかわびしい気分になっていたのだが、そんなネガティブな感情を拭い去ってくれる熱演であった。

さて、苗族の習慣。女性から男性への愛の告白は「足を踏む」という行為によって表現されるのだそうだ。かーわいいー!好きな女の子に足を踏まれた男の子はどんなにうれしいだろう。また、愛情表現のひとつに「耳をひっぱる」というのもあるんだって。これもかわいいなあ。

歓迎の演奏&ダンスのあと食事、苗族の料理は正直言って中華とあんまりかわらなかった。食後は酒盛り。女性たちが客の男性に米酒(薄いドブロク。甘くておいしい)をむりやりに勧め出した。まっかっかのウィンドブレーカーを着用に及んでいた相棒は真っ先に目をつけられ、湯のみいっぱいのドブロクを押しつけられている。必死で断っているのだが、周りは盛り上がるし、「苗族の酒は飲めないって言うの!」などと煽られるし、こういうときは世界共通で断れないものなのだ。

しきたり通り3杯も勧められ、また相棒もがんばって飲み干して拍手喝采を浴びてるんだもん、びっくりだ。しかし、ヨソの女の人に耳を引っ張られながら酒を飲まされている我が夫を見るのは、なんだか妙な気分だのう。妙な気分になる自分をかわいいとも思うが。

あとで相棒に言われたが、こういうときに助けたかったら、「我幇你」(手伝ってあげるわ)といって相棒のかわりに飲むふりをすればいいそうなのだ。例えば妻ならそのことによって、この人は私の夫なの、だから他の人は手を出しちゃだめ、と明示でき、酒の無理強いも止められるんだってさ。中国流、奥が深い。私は横でゲラゲラ笑っているだけでした。