虎跳峡は中国雲南省北部に位置し、ヒマラヤ山脈の東辺を為す玉龍山脈(5,596m)と哈巴山脈(5、396m)に挟まれた全長約40Kmの峡谷を言う。間を縫うように金沙江(長江源流の一つ)が濁流となって流れており、途中、虎が跳んで渡ったという伝説のある地点が三ヶ所あり、ゆえにこの名がある。
橋頭(Qiao Tou)から大具(Da Ju)までのうち、絶壁の高さはもっとも高いところで3,700m、両岸は最も狭いところで30mを切っており、わかりやすく言えば富士山を縦にすっぱりふたつに割ったところに河が流れていていて、両脇の絶壁を見上げながら歩くようなもの。こんなんで説明になってるか???
さて、私は前回の91年夏に行けずじまいであった虎跳峡に、今回ぜひとも行きたくてたまらなかった。かつて公安の許可をとってCITSでジープをチャーターしても、その途中までしか行けなかった虎跳峡が、外国人に開放されたと聞いていたからだ。しかし相棒は鈍くさい私には無理だという意見と、二人だけでは危険だという判断から、あまり乗り気ではないのであった。
ところが、本日昼に入ったレストランで、スイス人旅行者によって95年2月に作成された地図が壁にはられているのを発見、またレストランに置いてあった旅行者の感想ノートから、虎跳峡は現在すでに麗江への外国人旅行者にとっては非常にポピュラーなルートであることが判明した。
ノートによれば、全長40kmの橋頭-大具間には、ほぼ真ん中に核桃園(通称Walnuts grove)という集落があり、宿泊可能とのこと。また虎跳峡を通貨する外国人は、シーズン中には一日多いときで20人を越えるらしい。同時に、悪天候時には地滑り、落石が非常に危険であること、また強盗による死亡者が複数出ていることもわかった。
昼すぎ、宿の廊下で水と食料品を抱えたイギリス人の老夫婦とすれちがい、もしやと思って尋ねると思ったとおり明日の朝虎飛峡へ向かうとのこと。彼らのほかに少なくとも3人のフランス人が同じバスを予約していたということなので、1)7人いれば強盗の心配はない(これまでの被害者はすべて単独トレッカー) 2)現地納西族によれば現在は乾季で、悪天候の心配は全く無い 3)運動神経の鈍い私に歩けない道ならすぐに引き返す(重要) 以上を確認した上で、我々も明日出発することにした。
その夜、食料、ミネラルウォーター5本、懐中電灯(かなり多くの旅行者が山の中で迷っている)などを買いそろえた。
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